縦書きか横書きか(1)
7 月 12th, 2007 by 鳴神
日本語の文章を縦書きにするべきか、それとも横書きにするべきかでいろいろと調べていたところ、カルチャー・ショックとさえいえることなどに出くわしました。
まず、若い世代では縦書きが「読みにくい」そうです。
――「ケータイ小説」以外の小説、あるいは本を読んでる?
木村:あんま読まないですね。普通の小説ってケータイ小説と違って“縦書き”じゃないですか。あれってすっごくイヤ。読みにくい。
一同:そうそう。わかる~。
『ダ・ヴィンチ』という雑誌の記事からです。重引になってしまいますが、『シロクマ日報』というブログから転載させてもらいました。
特に若い世代に横書きを好む人が増えているというのは聞いていましたが、ここまではっきりと知ることになったのは初めてです。
驚くべきは、縦書きが「すごくイヤ」というところでしょうか。単に“どちらかというと横書きのほうがいい”ということではなく、明確に縦書きが「イヤ」なわけです。
個人的には、むしろ縦書きのほうが“読みやすい”と思っていただけに、本当に驚きです。しかも『プレジデント』という雑誌によると、それには科学的な理由があるそうです。脳科学者の池谷裕二氏の意見ですが、これを『eBook-News』ブログがわかりやすくまとめてくれていますので、そこから引用させてもらいます。
・タテ書きとヨコ書き。圧倒的に読みやすいのはヨコ書き
・人間の目は横並びなので、ヨコ方向の視野が広く、ピントも合わせやすい
・逆にタテの視野はせまく、ピントを合わせにくい
・部屋の広さは感じ取れるが、見上げた建物の高さがわかりにくいのもこのせい
なるほど、確かにその通りですね。少なくとも「大脳生理的な観点から」は正しいそうです。
ただ、面白いのはここからです。以下の池谷氏の意見を読んでみてください。
縦書きの文章を読んでいる途中で同じ行を二度読んだり、行を飛ばして読み間違った経験は誰にでもあると思います。一方、横書きの本はより速読に適している。ただし、横書きの文章は読みやすいのですが、それは半面で読み流されやすいということです。
私の場合、横書きで書かれた小説を読んでも、どこか訴えてこない。読みづらいということは読むときに集中力を要しますから、読み手にしっかり読んでもらうためには縦書きの文章のほうがよい。
要は『eBook-News』でも指摘されているとおり、読みにくいからこそ人間は集中するということのようです。興味深いですね。本来デメリットのはずが、メリットになっているわけです。なんとも日本らしいと思いませんか?
いずれにせよ、縦書きと横書き、どちらにも長所と短所があるということです。では、実際に文章を書くうえでどうすべきなのか。それについては、次回触れたいと思います。
Related posts
This entry was posted on 木曜日, 7 月 12th, 2007 at 13:09:01 and is filed under 小説. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. You can leave a response, or trackback from your own site.
*縦書きか横書きか
横に長い文章は縦書き文章より読み手には圧倒的集中力がいる。横書きの文で味わい深い、思考力を必要とする文は容易に読めない。縦書きにすれば思考力がおのずと発揮されるもので、それは視覚的理由による。すなわち、左右の目が違う角度から一点にフォーカスするため、縦の筋を上から下に向けて目線をずらして文章を読んでいく方が集中しやすいのだ。横書き文は左右に文章が広がるためフォーカスしていくには軽い内容の文章のほうがいい。実際横書きで書かれている文章は味わいや思考の程度が浅く、簡単に読めるものが多い。縦書き文章には書き手の真面目さが必要で、軽い冗談や遊びはふさわしくない。読み手がそこまで見通してしまうところに縦書きのすごさがある。このコメントも横書きのため読者は思考力を働かせて読み込む気概が出で来ないはずである。縦書きにすればこの主張の意味が伝わるであろう。
コメント by 芦田 勇 — 2008/8/19 火曜日 @ 22:22:01
小説などに限らず、論文などでも縦書きのほうが
理解しやすいことが多いのも面白いところですね。
横書きの場合は、本当に「読み流してしまう」ことがよくあります。
いつか、Webも縦書きにきちんと対応してくれるといいのですが。
(Flashは次期バージョンで対応予定です)
コメント by 鳴神 — 2008/8/20 水曜日 @ 13:14:47