短編か長編か
5 月 31st, 2007 by 鳴神
よく小説書きの初心者向けのアドバイスで、「最初は短編のほうがいい」というものがあります。確かに、長編はなかなか最後まで書ききることが難しく、全体をまとめるのも大変なものです。
では、短編が簡単かというと実はそうではありません。全体の物語が短ければ、書きやすくまとめやすいということはあるのですが、一方で非常に難しい面もあります。
それは、さまざまなファクターを短い文章に込めなければならないことです。いい短編の小説を書くということは、いってみれば小型の携帯電話に多くの機能を詰め込み、なおかつ使いやすくするようなものです。
こうしたことの実現は、かなりの困難を伴います。物語をつむいでいく上では、起承転結をきちんとつくることが大切ですが、短い文章の中でこういったメリハリをつけることはなかなかに骨が折れます。
また別の面では、文章の長さという点での余裕がないために、自分の書きたいものを書きたいように書くということができません。ちょっと閑話のようなものを入れたくても、短編では邪魔になってしまうことが多いようです。
反対に大きなものはある程度の余裕がありますから好きなように書けますし、多少の問題点は全体として吸収してくれます。つまり、長編にも初心者向けのメリットはあるのです。
もちろん、いきなり長編を完成させることには多くの壁があるでしょう。しかし、短編を得意とする人もいれば、長編を得意とする人もいます。それも個性です。
結局は初心者でも、長編が書きたければ長編を、短編を書きたければ短編を書くというのが一番なのではないでしょうか。場合によっては、短編をつないでいって最終的に大きな物語とするというやり方もあります。あとは工夫しだいですね。
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