鳴神庵 -narukami.net-

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Archive for the '知的財産' Category

気持ちはわかる著作権侵害

8 月 23rd, 2007 by 鳴神

 EUの調査で、違法ダウンロードに関するユーザーの興味深い心理が明らかになりました

 特に年長の子供たちは、「みんなやっている」「個人的な利用だからいい」「アーティストはもう十分に金を持っている」「CDやDVDは高過ぎる」という理由をあげて、自らの行為を正当化しているそうです。

 これらは確かに法的な根拠はなく、著作権侵害は侵害であり違法行為です。しかし、ユーザーの心情的な側面からすると、気持ちはわかる面もあります。

 思うのは、いくら著作権保護を啓蒙しようと、大半の人々の意識はあまり変わらないのではないかということです。そもそも知的財産権の被害は物的なものの被害とは異なり不明確で、罪の意識を感じにくいものです。また、使えるお金の限られている人に「正規品を買え」といっても無理があります。

 ということは、DRMを強化するか新しいサービスの仕組みを打ち立てるしかありません。前者は完璧なセキュリティなどありませんから限界がありますが、後者は最近広告モデルによる無料のサービスが増えているのは面白い傾向ですね。

 いずれにせよ、「ダメ! ダメ!」と言っているだけはユーザーも世の中も動きません。単に法的に正しいかどうかを問うだけではなく、いまは現実的な対応が求められています。

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日本のコンテンツホルダーはどこへ行く

8 月 14th, 2007 by 鳴神

 レコード会社最大手のUniversal Music Groupが、DRMなしの楽曲ファイルを試験的に販売するそうです

 アメリカの音楽業界は過激な対応をとることもありますが、ようやく方向性を変えはじめました。確かに著作権侵害が蔓延していることは問題ですが、その現状をすぐにどうこうできるわけではありません。

 そこで、開き直ってDRMを排除してしまうことは、正当な利用者の利便性を考えるうえでも、それからビジネスのうえでも重要なことだと思います。

 その点、日本のコンテンツ産業は相変わらずですね。ほんの一部を除いて、YouTubeなど新興サービスを敵視するばかりですし、未だにDRMにこだわりすぎています。

 そもそも、DRMを「緩和」させてやるから補償金制度を維持しろと言っているくらいですから、米国とは雲泥の差です。

 いったい、日本のコンテンツ産業はどこへ行ってしまうのでしょうか。「コンテンツ大国」どころか「コンテンツ小国」になりそうな予感が……。

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著作権の主張のしすぎも問題

8 月 5th, 2007 by 鳴神

 アメリカで、ある業界団体が興味深い申し立てを行っています

 この団体が問題視しているのは、著作権者の側が「不正かつ脅迫的な陳述を通じて自らの権利を不当に主張」していることです。たとえば、問答無用で複製を禁じるなどの表記を著作物にすることなどでしょうか。

 私も、以前からこのことは気になっていました。著作権は絶対的なものではなく、権利者と利用者とのバランスをとることが大切です。そのため、私的な使用における複製や引用も特定の条件下では認められています。

 しかし大半の著作物、特に大企業が著作権を有しているものに関しては、かなり厳しい文言であらゆることが法律で禁止されているかのように示されています。

 これは、一種の詐欺的な行為といえるかもしれません。現に、JASRACはたとえ正当な引用の要件を満たしていても、著作権使用料をとろうとする場合があるそうです。これは、マンガの分野でも顕著で、こちらでは少しでも歌詞を引用した場合は出版社の側はかならず料金を支払っています。

 くり返しになりますが、著作権は絶対的なものではありません。著作物を利用する側は、過度に脅える必要はまったくないのです。逆に、不当な権利主張をされた場合は、アメリカの例にならってきちんと糾弾すべきなのかもしれません。

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著作権侵害の二次被害

8 月 2nd, 2007 by 鳴神

 ディズニーアンバサダーホテルのサイトで、『ファイナルファンタジー11』の画像が無断で使われていたそうです。

 ただ、この件が他の著作権侵害の事例と異なるのは、同ホテルの側に悪意があったわけではなく、侵害行為をした当事者は外部のデザイナーだったことです。

 いわば、同ホテルの側は他者がしでかした著作権侵害のあおりをくった感じです。自分にその意思がないのに責任を問われるというのは、なかなか厳しいですね。

 こうした事例は他にもありそうです。たとえば、家族が勝手に自分のPCでWinnyを使っていたせいで、自分が疑いをかけられることになった、とか。

 中でも怖いのは、マルウェアやボットでゾンビ化されたマイPCが悪さをして、責任を問われることでしょうか。家族に原因があるならともかく、見知らぬ第三者に罪を着せられるというのはなんともやるせないことです。

 何か、これからこうした事例が増えそうな気はしますが……。著作権侵害の二次被害を受けないように注意が必要なようです。

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著作権保護期間を延長してほしいのは有名クリエイター

7 月 31st, 2007 by 鳴神

ITmedia』に、著作権保護期間の延長にかかわる問題について本質を突いたいい記事が掲載されています。

 要は、企業などの“著作権者”の意見ばかりを聞くのではなく、最も肝心なクリエイターの意見を聞くべきではないかということです。

 まったくその通りだと思います。作品を生み出すのは既存の権利を持っている側やカネを出す側ではなく、あくまで個々のクリエイターです。権利者を優先するあまりクリエイターが冷遇されるようでは、本末転倒も甚だしいことです。

 もう一点、注目すべきは有名クリエイターとそうでないクリエイターでは考え方が違うということです。確かに、そもそも著作権の保護期間が延長されて喜ぶのは、死後数十年たっても作品が残るような有名クリエイターとその関係者だけです。

「クリエイターが「保護期間を延長してほしい」と訴えることはすなわち、自分が死んでから50年後以降もコンテンツの価値が残ると確信している、ということになる」わけで、いわば自分は優れていると宣言しているようなものです。

 よって反対に、無名クリエイターは保護期間延長を主張することが「恥ずかしくない」わけがなく、そもそも死後のことを気にする前に今どうするかで精一杯なはずです。

 では、著作権保護期間延長はいったい誰のためのことなのでしょう。それ以前に、著作権とは何のためにあるのでしょうか。すでに数千万円や数億円を稼いでいる有名クリエイターや企業のためにだけあるとは思いたくありません。

 それよりも、本当の「コンテンツ立国」を目指すなら、保護期間延長などという実質的な効果があるのかどうかもわからないようなことを議論する前に、若手クリエイターの支援策を考えたほうがよほど建設的だと思うのですが。

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補償金制度への違和感

7 月 29th, 2007 by 鳴神

 最近、私的録音録画補償金制度の議論がふたたび活発になっています

 しかし以前から違和感を覚えているのが、補償金制度の必要性の根拠となっていることです。録音にせよ録画にせよ、「私的コピーの文化が根付いているから」というのが根拠のひとつになっていますが、そもそもコピーされるからといってそれが被害に直結するわけではありません。

 デジタル情報というものは、いくらコピーされても(使っても)オリジナルが消えることはありません。ですので、物的なものの盗難の被害とはそもそも比較できないことです。

 また、違法コピーされたとしてもそれが被害となるかどうかも曖昧です。なぜなら、違法コピーのものを手に入れた人物が、それがなかったら必ずしも正規のものを購入していたとは限らないからです。

 ましてやテレビの地上波の場合、はじめから無料で放送しているのですから、それを私的にコピーされたり、違法コピーが蔓延したとしてもどれほどの被害があるのか計りかねます。けっきょく、著作物の被害額を算定することは難しいといえます。

 それなのに、補償金制度はまさに被害が出ていることを前提に話が進められています。ユーザーのすべてが私的使用の範囲を逸脱した形で複製するとはかぎらないのに、「もし違法コピーされたら」というタラレバを全ユーザーに影響を及ぼす公的な制度の根拠にしているという、非常に珍しい状態にあります。

 いわば、一番損をするのは著作権侵害行為はしない真っ当なユーザーということになります。こんな“正直者がばかを見る”制度が、はたして正当なものといえるのでしょうか。

 まだ他にも同制度のおかしな部分はありますが、それはまた別の機会に。

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自分の首を絞める著作権者たち

7 月 24th, 2007 by 鳴神

 評論家でエンジニアでもある小寺氏が、先日のコピーワンスの問題についてコラムで触れています。

 いたずらに著作権などの権利強化を求めることは、権利者にとっても必ずしもメリットとなるわけではないという意見にはまったく同感です。

 権利者側は、コピーを厳しくすれば自分たちの収益が上がるとでも思っているのでしょうか。そもそも、海賊版がどれほどの悪影響を与えているのかも曖昧なままです。

 反対に、利用者(消費者)の側の利便性を損なうことで、かえってビジネスチャンスを自らつぶしかねない恐れもあります。“コンテンツは利用してもらわなければ意味がない”という当然のことに、なぜか当事者たちが気付いていない感があります。

 その点、アメリカの音楽業界は先へ行っていますね。DRM撤廃の方向へ進みはじめ、小寺氏によると映像分野でもEPNによってユーザーの使い勝手を優先するようになっているようです。未だにコピーの回数だけでもめている日本とはえらい違いです。

 著作権者は、なにか著作権保護をイデオロギー化してしまっているように思います。企業にとって著作権が意味をもつのは、それが利益の源泉だからです。裏を返せば、仮に著作権を侵害されることがあっても、結果としてもうかるならそれでいいはずです。

 著作権を守るために自らの利益を犠牲にしているコンテンツ・ホルダー。この本末転倒の状態はいつまで続くのでしょうか。

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DRM緩和には補償金が必要?

7 月 20th, 2007 by 鳴神

 現在の日本における知的財産の分野では、録音・録画機器に対する補償金の制度を見直そうという方向へ話が進んでいるわけですが、ここへ来てまた著作権者の側が議論を蒸し返そうとしているようです。

 権利者側の主張を端的にまとめれば、「デジタル放送のコピー制限を緩和してやるから、そのかわり補償金制度を認めろ」というものです。

 これは根本的に矛盾していないでしょうか。そもそもコピー制限を緩和するといっても、アップルの『iTunes Plus』のようにDRMを撤廃しているわけではありません。つまり、コピーしにくくしている(孫コピーはできず、1世代目のコピーも回数制限している)にもかかわらず、「コピーされた場合の補償をしろ」と主張しているわけです。

 そもそも、関連があるとはいえ、今回の地デジのコピーワンスの問題と補償金制度のそれは、それぞれまったく別々の事柄ですし、別々の場で議論されてきたことです。それを強引に結びつけるのは、やや“ずるい”やり方でしょう。

 こうした主張をするということは、地デジのコピーワンス緩和に権利者側が同意したのも、初めから補償制度を維持させるための作戦だったように思います。「コンテンツに対する尊敬の念を持ってほしい」などと言っていますが、著作権者こそコンテンツを利用・購入することで産業を支えているユーザーに対する尊敬の念を持ってほしいものです。

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レッシグ氏が知的財産の分野から離れる

7 月 8th, 2007 by 鳴神

 Cnet Japanで翻訳されて公開されている、知的財産の研究で有名なローレンス・レッシグ教授のブログで驚くべきことが発表されていました

 レッシグ氏は、知的財産の分野から離れるそうです。なんでも、政治の腐敗の問題を今後の課題にするとのことです。

 主旨を要約すると、知的財産分野の研究と活動が一段落ついたため、研究課題を変えるそうです。また、そもそも一部の利益団体の意向に流されすぎる政治システムを改めないと、知的財産の問題も含め、本当の解決にはならないという思いもあったようです。

 確かにどれだけ正論をかざしても、権力をもった側が動いてくれないことにはどうにもなりません。レッシグ氏はそのことを、知財関連の活動を通じて痛感したのだと思います。

 個人的にはレッシグ氏が研究対象を変えてしまうのは残念な気もしますが、今度の動向も楽しみにしています。

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小説と著作権

6 月 24th, 2007 by 鳴神

 近頃、著作権をはじめとした知的財産がらみの問題が世間をにぎわせています。もちろん小説に関しても、著作権とは切っても切り離せない関係にあります。

 そこで当サイトでは、これから知的財産にかかわる話題も取り扱っていこうと思います。手始めに、作家が気を付けておいたほうがいい点について簡単に触れておきましょう。

 まず、著作権は自分で管理すべきです。最近はいろいろな会社が知的財産を運用しようとしていますが、へたに自分の権利を預けてしまうと後でややこしいことになることもあります。

 一番困るのは、自分のやりたいことができなくなってしまうことです。自分の作品のことにもかかわらず、いちいち企業の側に許可を得なければならず、場合によっては拒否されることもあります。

 出版社は本来、著作権のうち出版権のみを作者からライセンスされるものなのですが、この頃は著作権のうち譲渡可能なものをすべて渡すという契約にしようとするところが多いです。もちろん、メディアミックス展開をするうえではそのほうがやりやすいのでしょうが、場合によっては原著者が大きなデメリットを蒙ることもあります。

 これからは、“万人クリエイター”の時代です。そうだからこそ、ひとりひとりに著作権の管理に対するきちんとした意識が求められるのかもしれません。

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